「コウさんのバカ」
「え?」
「私、そんなに意気地無しじゃないです!だって同じ気持ちなのに。コウさんとならいつでもそうなってもいいと思ってますっ」
力強く宣言されて面食らう。
「むしろそれを認めて貰えるなんてさっきも言ったけど光栄です!それに年齢とか関係なく今この一瞬一瞬をコウさんと過ごせて幸せなのに。コウさんは嬉しくないの?」
「いや、俺は…」
深く考えすぎだったんだろうか?梨央のためだと慎重になり過ぎてたのが逆に梨央からしたら不服らしい。
急に潮らしい瞳を向けられて不覚にもドキリとする。
「私はもうコウさん以外は考えられないので…」
「…梨央…」
「コウさんになら私の人生ぎゅって縛られても悔いはないです。むしろ1ミリもほどけないよう離さないで」
そのまま泣きそうな顔を隠すように首筋にしがみつかれ、動きが止まる。梨央らしい可愛い言い回しに心が急激に温まる感じがした俺は梨央の背中に手を回す。
「この先もずっと一緒にいるんだから、例え結婚が早かろうか遅かろうか今の生活とは何も変わらないでしょ?」
「確かにな。今まで通り自由にいてくれたらいい。何も変える必要はねーな」
「だったら私、コウさんが他の人とお見合いしちゃう方のが断然嫌です」
「しねーよ」
そこはすぐさま否定する。でもそうか、さっき説明する際に何気無く伝えた見合いの話は安易にするべきじゃなかったと反省する。
俺の中では大したことではなかったが、
むしろ不安にさせたと気付いた瞬間梨央の背中を「悪かった」と強めに抱き締める。



