もちろん梨央とはいずれそうなるつもりでいるから俺の方は問題はない。
以前梨央ともそれっぽい約束もしたのも覚えてる。
ただ、梨央のことを思うと変にプレッシャーをかけるんじゃないかと心配になる。
ただでさえ、彼女は今栄養士を目指して勉強中だ。澤田宗一郎からもやっと解放されて自由になれた途端またしても俺という重圧に押し潰されないだろうか、と。
一緒に住んでいるとはいえ、彼女にはまだ自由でいてほしいとは思っている。今まで出来なかったことを遠慮なくやってほしい。20代という貴重な月日を無駄にしてほしくないのも恋人としての思いでもあるのだが、梨央はそれを否定した。
「何を言ってるんですか!」
それとなく、話せる範囲でそれを伝えると、いつになく厳しい声が飛んできた。
バシンッと、両頬を梨央の手で挟まれる。
「そんなことで臆病になったりしませんよ。むしろ感動です!コウさんのご両親にそんな風に思って貰えて。私は認めて貰えたってことでしょ?」
なるほど。そう解釈するかと納得する。俺とは違い前向きな彼女の言葉に耳を傾けると、梨央はやっぱり怒ったように顔を近付ける。



