それから梨央に会えたのは2日後のこと。

不意討ちで彼女の家まで迎えに行くと、予想通りの可愛い反応が返ってきた。


「わっ、急に来るからビックリするじゃないですか!」

「一応電話もLINEもしたけどな」


どうやら彼女はお風呂に入ってたようで、携帯には気付かず突然現れた俺に対してかなりビックリしたような素振りをみせた。

それが妙に可笑しくて俺の悪い癖、いたずら心が顔を出す。


「別にダメなら無理強いはしない。また改めて出直して来るが」


そう言うと、彼女は慌てたように俺の腕を掴んだ。

その瞬間ほのかに香るシャンプーの匂い。


「ダ、ダメッ!帰らないで!すぐに支度するからちょっと待っててっ」


彼女の必死さについ、笑いが込み上げそうになる。

大概俺もいい性格してるなって、ここまで来て本気で帰るわけないのにと、自分の性格を恨めしく思う。

それから「10分待ってて!」という梨央に押しきられて車で待機していると、彼女は約束通りの時間に現れた。


「ごめんね、待った?」

「いや…、ちゃんと髪の毛乾かしたのかよ」


車に乗り込んだ梨央を見るとまだ少し半乾きのような…

手を伸ばし思わず触れてみるとやっぱり思った通り。少し濡れている。