「あ、あと、どこかの社長さんみたいで高級車に乗って運転手と秘書さんもいました」
「……運転手と秘書?」
その名前は?と再び聞かれうーんと記憶を必死に巻き戻す。
「あっ、確か秘書さんの方は神城さんって言ってました!」
「……」
「運転手の名前は分からないけど…。それからあと分かることは…」
「いや、いい」
「え?」
「もう分かった。あとは俺が調べとくから。この件は俺に任せてくれ」
またしてもへっ?と声が漏れた瞬間静かにコウさんがソファーから立ち上がるから、私も慌てて立ち上がる。
「…でも…」
「気が変わった。後は俺が責任もって処理しとくから。梨央は何もしなくていい」
「それって何か手掛かりでもあったってことですか…?」
「まぁ、そんなとこだ」
それ以上コウさんは何も言わなかった。
あんなに乗り気じゃなかったのに急に態度が変わったことに不思議に思いながらも、さすがコウさん。
こんな短時間で手掛かりが見付かっちゃうなんてすごすぎる。



