「私、彼の側にいるって決めた時に誓ったんです。守られるだけの存在じゃなく自分も守れる存在になりたいって」
「……」
「正直私に何ができるか分かりません。甘いって言われるかもしれないけれど、それでも一緒に戦う覚悟はできてます!」
「…ほう…」
「それに彼とだったら突き付けられた理不尽な事でもそれをプラスに変えていける気がするんです。彼にはその力があると思うから。だから…、その時は私も全力で戦闘態勢に入ります!」
力強くジョウさんを見た。思わず熱が入っちゃったけど、自分の思いに迷いはない。
「だって私にはもったいないぐらい彼は優秀な刑事さんですから」
冗談混じりにニッコリ微笑んだ。
そんな私を見てジョウさんはやっぱり真顔で真っ直ぐ見つめてきたけど、最後は穏やかに笑った。
「それは何とも頼もしい。そんな風に言って貰える彼は幸せ者だね」
目を細めたジョウさんはとても優しい表情をして見るからそれが恥ずかしくてこそばゆい。
その後も何気ない会話は続いたけど、自宅まで送り届けてくれた彼は車から降りた私に向かってこう言った。
「とても楽しい時間だった。ありがとう」
「いえ、こちらこそありがとうございました」
深々とお辞儀をする。
「私もジョウさんとお話しができて楽しかったです」
にっこり笑顔を向けて帰ろうとするとジョウさんは最後「また、どこかで」と再び私を振り向かせた。
「…え?」
「なんだか梨央さんとはまたどこかで会える気がしてね」
「…また、ですか?」
「ほら、2度あることは3度あるっていうでしょう。その日を楽しみにしていますよ」
意味深な言葉を残してジョウさんの車は去っていく。



