…あくじのかたぼう?
かたぼう…
カタボウ?
片棒??
言われた事が理解できず脳内で色々変換した結果、やっぱりこれしか思い浮かばなかった私は理解できないまま思ったことを口にする。
「彼は警察ですが…」
「もちろん知った上で訪ねてるんだが」
「……」
ますます分からくなった私は困った顔を向ける。
コウさんと悪事だなんてどうやっても結び付かない。なのに彼はどうしてこんな質問を?
「いえね、よく聞くんですよ。実は知り合いに警察関係者がいてね、彼は上の役職上意に反して悪事だと分かった上でもそれをうやむやにしなきゃいけない時があるって」
「…それはつまり悪事を揉み消すってことですか?」
「そうだね」
「……」
意外な質問に困惑する。
「よく相談されるんですよ。上になればなるほど責任も重い。それに加えて色んなしがらみや圧力もあるそうでね。特に政治家との繋がりが強くなる度に理不尽な要求を求められるそうなんだが…」
「…そう、ですか…」
「もし彼がそうなった場合、もしくはそれをあなたが知った時、梨央さんあなたならどうするかね?」
「え?」
「彼が悪事に加担すると知った時、彼の意思に黙認して寄り添い見守るか、それともそんなことは駄目だと叱り、不正を正すように意見するか。あなたならどう動く?」



