きっとその気持ちはこの先も変わらない。
だから気付けなかった。ジョウさんの前にも関わらず自分がとてもにやけていたことに。
「それはそれはお腹が一杯になりそうだ。ありがとう」
ハッとした私は思わず照れる。
「…あ、いえ…、なんかすみません…」
「いいんですよ。でも梨央さんはその彼のことが本当に好きなんですね」
一瞬躊躇ったけど、やっぱり素直に頷いてしまった。
「はい。とても…」
やっぱり照れた私にジョウさんは優しく笑った。
「素直でよろしい」
そしてジョウさんもまた奥様をとても大事にしてることを知った。
だからとても親近感を感じる。
やっぱり怖い人なんかじゃない。だから話しは自然と弾んでいく。
そして家の近所に差し掛かった時、何故か静なトーンで訪ねられた。
「1つ聞いてもいいかね?」
「はい何でしょう?」
「唐突な質問で申し訳ないが、もし、彼が何らかの理由でこの先悪事の片棒を担ぐことになったとして、梨央さんならどうする?」
えっ…、と思わず声が漏れた。
本当に唐突だ。
理解できず瞬きをすると何故か真剣な表情になったジョウさんが私を見る。



