愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。


だけどそれがまた楽しい。

新たな自分を発見したようで、まるで自分じゃないみたいなんだけど、それが戸惑う以上に嬉しさに変わってる。

恋をすると人は変わるって言うけど本当だね。

身をもって今実感しちゃってるよ。


「相変わらずだな」


……すると、そんな私を見てコウさんがフッと笑う。

そしてそのまま悪戯に耳元に唇を寄せてくる。


「ついに小悪魔降臨か?」

「大魔王さんは今日はお休みなんですね」

「つーか、これは誘ってんの?」

「どうかな?なついてるだけですよ」


照れ臭くなってそう言えば、目の前のコウさんがくっと笑った。

そして体制を正し、私の顔を楽しそうに覗き込んでくる。


「面白いな、お前」


その顔がヤバイぐらいかっこよくて、心臓が爆発しそうなんですけど!

思わず赤面すると、そのままコウさんの手が私の頬に落ちてきた。

そっと壊れ物を扱うように撫でられると、やっぱり心臓の音が騒がしくなる。