「昔も今も変わらず梨央が好きだよ」
「…慎ちゃ……」
どうしよう…
慎ちゃんの気持ちがとても痛かった。
それは慎ちゃんが泣きそうな顔をしていたから?
言いながらとても苦しそうだから?
きっと3年前の私だったら間違いなく喜んでた言葉が、今は悲しくて仕方がない。
きっとそれは慎ちゃんも同じ。
できればこんな形で聞きたくはなかったと、私の心が悲鳴を上げる。
ずっと幼馴染みのお兄ちゃんでいるんだと思ってた。
けどそれは私の都合のいい思い込みで、現実は残酷だった。
気付けば涙腺が緩み、瞳から涙が溢れ落ちていた。
それを見た慎ちゃんが余計自分を責めるだろうと分かっていても、この感情をコントロールすることができない。
「あの頃に戻れたら…」
ほらね。慎ちゃんの苦しげな声が届く。
だけど私は彼を受け入れることはできない。
どんなに彼が私を求めても、昔のように笑ってあげることはできないんだ。
「泣かせてごめん……」
再び俯いた私に慎ちゃんの長身な気配が目の前に立つのが分かった。
そのまま不意に彼の手が伸びてきて、そっと私の頬に触れようとする。
……が、それを遮るようにパシンッと、横から素早く彼の手が弾かれる。



