その言葉が思っていたのとは違い、ポカンと間抜けな顔を向けてしまった。


「…えっと……」

「あんまり心配かけんなっつーことだ」


またまた予想だにしないセリフに目を丸くする。

だけどコウさんはいたって真剣な表情を向けてくる。


「いいか?この場所はまだ安全だが、一本道をそれて狭い道に入ったら悪いやつらがけっこうたむろってんだよ。お前みたいにのほほんと無知の女がふらふらしてたら格好の餌食だろ」

「………」



あ……うん。

そっか、コウさんの言いたいことは何となく分かった。

もっと周りを警戒しろってことだよね。



「もっと警戒心をもって行動しろ」


あまりの圧力に私はコクコクと頷くしかできなかった。だけど、やっぱりコウさんの顔をまじまじ見てしまう。


……怒ってるところはそこなの?

急に呼び出したことじゃなくて?