しかも彼女はうちに放火まがいの事までしようとした。
それが先程私が寝ている間の出来事で、素早く異変を察したコウさんが彼女を見つけ、逃げようとしたところをしっかり押さえ込んだらしい。
幸い放火は未遂に終わり、家は無傷だった。
そしてすぐに慎ちゃんを呼んだコウさん達は今に至るわけで。
慎ちゃんが駆けつけた後、再び彼女が暴れ出し、それを止めようとした慎ちゃんの奮闘の証が今の部屋の散乱らしいのだけど…。
そんな事実まで聞いてますます愕然とした。
当たり前だけど腑に落ちない感情が沸き上がり、顔を歪ませてしまう。
「…でも、どうしてうちが……」
それが疑問だった。
私達何かした?
彼女に恨まれるようなことなんてした覚えなんてない。
むしろ彼女とは初めて会ったわけで、検討なんてつくはずもないんだよ。
「慎ちゃん、いったいどうなってるの?」
「ほら慎一、言ってあげなさいよ。彼女困ってるわよ。全部自分の思いが蒔いた種だって。可愛い大好きな幼馴染みの彼女があなたのせいで不安そうにしてるのよ」
「由香、お前……」
「何よ?私を責めるつもり?あなたにそんな資格なんてあるの?元はと言えばあなたがいつまでも過去の思いを引きずってるのが悪いんでしょ?あなたさえちゃんと私を見てくれたらこんなことにはならなかったのよ!」



