「何してるんですか?」


そおっと近付くと、私は背後から覗き込んだ。
するとコウさんの動きが止まり、私へと視線をくれる。


「ああ、一応確認作業をな」


タブレットを見るとそこにはうちの玄関の様子がリアルタイムで映っていた。

その他監視カメラを付けた場所の映像がしっかり見ることができるみたいで、それを見た私は少し緊張した面持ちで眉を寄せる。


「なにか変わったことは?怪しい人影とかいましたか?」

「いや、今の所は特に変わった様子はないみたいだな」


その言葉を聞いてホッとする。

あれから特に変わったことはなかったけれど、やっぱり恐怖は拭えない。

外から物音一つする度に必要以上にハッとし、気が気じゃないのは確かだもん。


「そんな不安そうな顔するなよ」

「………」


だってどうしてうちが狙われているのか分からない。

原因が分からない分、対処のしようがない。何をどう気を付けたらいいのかよく分からない状態なわけで、やっぱり不安が込み上げる。



「…でも、コウさんがいてくれるから……」


そう思いつつ、私にはコウさんがついてるわけで、一から百まで全部不安かと聞かれれば正直そうとは言いきれない。


「ちゃんと守ってくれるんですよね?」


本音を溢した私はそのまま後ろから抱きついた。

コウさんの肩から腕を巻き付け、そっと首筋に顔を埋めると何の躊躇いもなく発せられた彼の逞しい言葉が私の心を熱くする。