梨央の本心が聞けて安堵した。

それから何かが吹っ切れたような面持ちになった梨央に甘えるように抱きつかれ、俺は再び彼女の額に唇を落とす。


「言っときますけど、唇のキスはダメですからね」


念には念を、だろうか。

やんわりキスを拒否をされて、俺は仕方なく彼女の背中に腕を回した。

すると…、次第に心地いい寝息が聞こえてきて、俺も安心したように目を閉じる。

とりあえず梨央が抱えていた不安は取り除けたようでホッとする。


……が、問題はまだ残っている。

俺の予想が正しければ、恐らく明日ぐらいに例の犯人がまた何かしらアクションを起こすのではないかと察していた。

きっと今の彼女にとってクリスマスという華やかなイベントは酷なものでしかないだろう。

確信に近い思いで俺は警戒心を宿し、梨央がこれ以上傷つかなけれいいがと、それだけを思う。


明日はクリスマス…

この調子だと梨央の体調もあり、外には出れないと思うがたまには家でゆっくりするのも悪くない。


明日はのんびりまったりと。

どんな1日になるのか、俺は細心の注意を踏まえて迎えることにした。