「た、助けて……!」


あたしは、わけも分からず走りまわった。


目の前に、そば屋の屋台が見えた。


あたしは、助かった!と思った。


「た、助けて……! 助けて下さい! お父さんと、おまわりさんと、それと、あたしが、怪物に……!」

「ほう……?」


そば屋のおじさんは背を向けたまま、のんきにそばを茹でていた。


「助けて下さい! ホントウに、ホントウにヤバイんです!」


「ほう……。キミが見た、怪物の顔ってのは……」


おじさんが、ゆっくりと振り向いた。


「こーんな顔だったかい?」


「キャアアアアア!!!!!」


あたしは、走った――!