そこに現れたのは、怖ろしい姿だった。


目も閉じれないほどに膨れ上がったまぶた。

エラの張ったカエルのような顔。

真っ青な、いや、真緑の皮膚――。

そして、顔中を覆う、無数のうろこ。

お父さんは、魚ともカエルとも分からない、

気味の悪い、怪物の姿と成り果てていた。


「さあ、リョーコ、こっちに来なさい……」

お父さんが手招きをする。

その手には水かきのようなものがついていた。


「い、いや……」


あたしは、震えていた。


「次は、あたしを殺すのね……」


おとうさんは悲しそうな顔をした。