みんなが和気あいあいとお互いの趣味などについて話し合っている中、私はただ陽太のことだけを考えていた。


きっと今ごろ、友達と昨日のテレビ番組のことなんかを語り合っているんだろう。



私はひとり、いちばん後ろの席から外を眺める。
寂しいなんて思わない。
ひとりぼっちでもいいから、ただ誰にも責められたくなかった。


そんな小さな願いは、ちょっぴり大きなものに変わっていた。


"陽太だけいればいい"



そう思ってしまってからやっと気づく。