大丈夫、そう言おうとしたけど言葉にならない。 辛くて苦しくて、でも、〝友達〟って言ってくれたのが嬉しくて。 正直に〝友達になりたい〟と言えたらどんなに良かっただろう。 風が吹く。 桜の花びらと一緒になって、長い黒髪を揺らす。 「髪、かわいい」 そっと、手を伸ばして私の髪についた花びらを取る。 彼はそれ以上何も聞いてこなかった。 希望の光はすぐに消えてしまった。 ううん、消してしまわないといけないからーーー。