私は自分の過去を真っ黒に染めた人と同じ学校にいるんだ。


そしてその人から隠れるようにして今日を終えようとした。



「これはね…」


本当のことを言いかけてやめた。

だめだ、言えない。



いくら信用しているからって、言えないことだ。



中学時代、暴言を書かれ破られ、ゴミ箱に入れられた教科書。



二度と経験したくない過去が私にはあって。



それを言う勇気は、私にはない。