そろそろ校門を出なければまずい時間になってしまったから、私たち二人は学校を後にした。 近くのメロン型のジャングルジムがある公園のベンチに、〝親交を深める会〟として座った。 ちょっと待っててと言い、自動販売機で温かいココアを買って私に差し出す彼。 こんなことも、本当に初めてだ。 同時に缶を開けると、甘い匂いが漂った。 「莉々奈って呼んでいい?」 真っ直ぐ私を見据えて言うから、何だかドキドキする。