関わるな、という顔で見られるかと思っていたけど、そうじゃなかった。



ー全く。




むしろ嬉しいとは違っても、なんというか。
完全に迷惑そうではなかった。



目が潤んでいるのは気のせいだろう。
でも、ホッとした。



「………大丈夫だよ」



彼女はまた俯いて、顔を髪で隠した。

鞄は、チャックが閉まらないくらいにパンパンになっている。


女子がこんなの持って帰れるのかよ。



俺は、彼女の鞄を持って出口へ向かった。


「えっ、ちょ…」

「絶対無理だって」