彼は教室から出ていった。 次々に生徒たちが入ってきて、黒板に貼られた出席番号順の席に座っていく。 なんで私になんか構うんだろう。 私といて良いことなんて一つもないのに、本当にヒーローなの? だけど本音は 素直に嬉しくて。 笑顔を向けられたらどんなにいいだろう、って考えて。 空いていた心に温かさが戻ってきたようだった。