「坂上旭高校ですよね?」 「えっ?」 思っていた通りの声。 透き通っていて、彼女によく似合っている。 「いま逆方向行こうとしてない? 1年だよ…ね?」 「あ…迷ってて」 やっぱりか。 それにしても、なんでこんな所で迷うんだろう。 けっこうすぐなんだけどな、ここから高校まで。 「こっちだよ」 迷っている生徒には、案内をしてあげる。 それが俺の優しさ。