水曜日。
その日の私は、お昼頃からずっとソワソワしっ放しだった。
「ふーん、今日は外食か。いいの?金ないんじゃ…」
「ん、今日はちょっと予定あるから。
ほらほら、早くっ」
何度も後ろを振り向こうとする彼の背中を、私は無理やりのれんの中に押し込んだ。
ピシャリと後ろ手に引き戸を閉め、カウンターに即オーダー。
「ミソ2つ、普通でっ」
「あいよー」
「…ミソラーメンの普通盛り。俺には選ぶ権利すらないのか…」
「奢りでしょ?文句言わない」
不満げな彼を黙らせ、私は店内の時計をチラッと見た。
約束の時間まであと40分。
今日のお昼、出張から帰っていた杉原さんから久しぶりに連絡があった。
『今夜8時。いつもの場所』
カウンターの下でもう一度スマートフォンを確認し、私はニッと頬を緩ませる。
(ちっ、杉原かよ)
面白くなさそうな祥善寺の呟きも、今の私には気にならない。
その日の私は、お昼頃からずっとソワソワしっ放しだった。
「ふーん、今日は外食か。いいの?金ないんじゃ…」
「ん、今日はちょっと予定あるから。
ほらほら、早くっ」
何度も後ろを振り向こうとする彼の背中を、私は無理やりのれんの中に押し込んだ。
ピシャリと後ろ手に引き戸を閉め、カウンターに即オーダー。
「ミソ2つ、普通でっ」
「あいよー」
「…ミソラーメンの普通盛り。俺には選ぶ権利すらないのか…」
「奢りでしょ?文句言わない」
不満げな彼を黙らせ、私は店内の時計をチラッと見た。
約束の時間まであと40分。
今日のお昼、出張から帰っていた杉原さんから久しぶりに連絡があった。
『今夜8時。いつもの場所』
カウンターの下でもう一度スマートフォンを確認し、私はニッと頬を緩ませる。
(ちっ、杉原かよ)
面白くなさそうな祥善寺の呟きも、今の私には気にならない。