復讐劇は苦い恋の味

「顔色も優れませんし、看護師に話して診察の順番が回ってくるまで、ベッドで休ませてもらいましょう。座っているより横になった方がラクでしょうし」

「え……でも、そんなことお願いできるんですか?」

不安げに聞いてきた男性に笑顔で答えた。

「もちろんです。少々お待ちください、今看護師に声を掛けてきますから」

「あっ……すみません」

具合が悪いのに、なかなか言い出せない患者さんは意外とたくさんいる。

そんな患者さんに気づき、声を掛けるのも大切な仕事のひとつだと思っている。


その後、内科の看護師が車椅子で男性を迎えに来てくれて、彼は診察までの間、ベッドで休ませてもらえたようだ。

どうやら男性は胃潰瘍だったようで、そのまま入院となったと後から看護師から聞いた。

そして男性が私に「ありがとうございました」と伝えてくださいと、伝言してくれたことも。



『ちょっと美空ちゃん、聞いたわよー。今日も君嶋さんとデートなんだって? 最初は乗り気じゃなかったのが嘘みたいね』

迎えた土曜日の朝。出掛ける準備をしていると叔母さんから電話がかかってきた。