「それに話を聞いていると、今は昔と違って素敵そうな人だし、私はいいと思うな」

いいって……君嶋くんを好きになることが？　本当に朋子はそう思っているの？

信じがたくて彼女をジッと見つめると、朋子は苦笑いした。


「ごめん、これは私が話しを聞いていて勝手に感じたことだから、違うかもしれないけどさ。……美空、彼のこと好きだったんじゃないの？」

「…………まさか」

耳を疑う話にワンテンポ遅れて声を漏らす。

私が君嶋くんのことを好きだった、なんて。そんなことあるわけない。

けれど朋子はそんな私の気持ちを否定するように続ける。

「中学生の美空が今もトラウマに残るほど傷ついたのは、彼が好きだったからじゃないの？　だから再会した今、許せない、大嫌いって思いながらも、次も会う約束しちゃったんじゃない？」

「違う？」と言いながら私の様子を窺う朋子に、焦りを覚える。

そんな、まさか――。今はともかく、昔から私は君嶋くんのことが好きだった？　なんて……。