復讐劇は苦い恋の味

「それにどうしてこのタイミングで『君嶋くん』なんて呼ぶんですか?」

「あっ、それはっ……」

しまった、私ってばつい『君嶋くん』って呼んじゃっていたんだ。

「すみません! 馴れ馴れしく呼んでしまいっ……!」

慌てて謝るとすぐに彼は言った。


「どうして謝るんですか? 言いましたよね、嬉しくて泣きそうだって。……不思議ですね、同じ苗字呼びなのに、『君嶋さん』から『君嶋くん』になっただけで、常盤さんとの距離がグンと近づいた気がします」

笑顔を零す彼に、身体中が熱くなる。

すると君嶋くんは、真っ直ぐ私を見つめ問いかけてきた。

「常盤さんの言うように、そう思ってもらえていますかね。……もっと頼ってほしいと」

「もちろんです。……絶対そう思っているはずです」

すぐに答えると、君嶋くんは嬉しそうに頬を緩めた。

「ありがとうございます。常盤さんにそう言われると、本当にそんな気がします。……すぐには無理ですが、少しずつ肩の力を抜いていきたいです。正直、今のままではつらいので」

吐露された彼の本音に胸がトクンと音を立てた。