復讐劇は苦い恋の味

こうやってトラウマを作った本人とお見合いの席で再会をして、二回目のデートをしていること自体、不思議なことだよね。

再び水槽へと視線を向けた。

君嶋くんにどんな過去があって、どんな思いで生きてきたのかなんて、私には関係のないことじゃない。

だって今日でさようならするつもりで来たんだよ? 自分の正体をバラして、もう二度と会わないつもりだった。

それなのに、どうして私の心はこんなにも大きく揺れているのかな。

冷静になればなるほど沸き起こる自分の感情が、不思議で仕方ない。

ボーッと水槽を眺めていると、君嶋くんがポツリと声を漏らした。

「今日は、とても幸せな一日でした」

「……えっ」

隣を見ると、彼は水槽を見つめたまま話を続けた。

「休日にこうして常盤さんとお会いすることができて、同じものが好きだと知れて、ご家族のお話も聞かせていただけて。……それに、父親に対する想いを初めて話せたのが、常盤さんでよかった」

私が初めて……? 本当なの? 友達や母親、今まで付き合ってきた女性には話したことがなかったの?