「いいえ、違います! その……亡くなった母が生前大切にしていたものだったので、懐かしくてつい……」
「そう、だったのですか」
途端に目を丸くさせ財布を元の場所に戻すと、申し訳なさそうに眉尻を下げる君嶋くん。
「それはすみませんでした」
謝る彼に手を左右に振った。
「そんな謝らないでください。……それに悲しんでいたわけではないんです。懐かしいなって思い出していたんです。父から初めてプレゼントされた財布だって当時、散々自慢されたので。……母は父のこと、とても大好きだったから」
再婚してからのお母さんは、本当に毎日幸せそうで、私と圭の前だというのにふたりはいつも仲が良かった。
家族で外出した際もよく手を繋いでいたし。
そんなふたりに私と圭はよくふたりしてからかっていたけれど、内心では私も、きっと圭も嬉しかった。
自分の親が幸せだと子供も自然と幸せな気持ちになれるだって、初めて知ることができた。
そして私も、ふたりのように将来好きになった人と幸せになりたいと願った。
「今思い出しても、自然と口元が緩んじゃうんです。……両親のことを思い出すと」
「そう、だったのですか」
途端に目を丸くさせ財布を元の場所に戻すと、申し訳なさそうに眉尻を下げる君嶋くん。
「それはすみませんでした」
謝る彼に手を左右に振った。
「そんな謝らないでください。……それに悲しんでいたわけではないんです。懐かしいなって思い出していたんです。父から初めてプレゼントされた財布だって当時、散々自慢されたので。……母は父のこと、とても大好きだったから」
再婚してからのお母さんは、本当に毎日幸せそうで、私と圭の前だというのにふたりはいつも仲が良かった。
家族で外出した際もよく手を繋いでいたし。
そんなふたりに私と圭はよくふたりしてからかっていたけれど、内心では私も、きっと圭も嬉しかった。
自分の親が幸せだと子供も自然と幸せな気持ちになれるだって、初めて知ることができた。
そして私も、ふたりのように将来好きになった人と幸せになりたいと願った。
「今思い出しても、自然と口元が緩んじゃうんです。……両親のことを思い出すと」



