復讐劇は苦い恋の味

相手は君嶋くんだよ? なのに私ってばデートを楽しんじゃっていた。でも……な。

正直、朋子や友達と一緒に過ごしている時と同じくらい楽しかった。好きなものが同じってだけじゃないから。


この前もそうだったけれど食べ物の好みも同じだし、君嶋くん話し上手だから会話が途切れることもないし、飽きないし……。

「本当、変わり過ぎて困る」

足を止め、見つめてしまうのはショップの鏡に映る自分の姿。


大人になって君嶋くんは変わったのかもしれない。……でもそれは、私が中学一年生の時の同級生で、昔自分がイジメるほど嫌いだった私だと認識していないからだよね?

だから好きになってこうしてデートに誘ってくれたんだ。

きっと私の正体を知ったら違うはず。……本当に君嶋くんは昔となんら変わっていないかもしれない。

意地悪で酷い人で、昔のように汚いものを見るような目で私を見るかも。

「あれ……やだな、どうして?」

自分の胸元をギュッと押さえた。

なぜか胸が痛んで仕方ない。どうして? 私は昔の君嶋くんも知っている。なのに昔と同じ態度で接しられるところを想像したら、胸がズキズキと痛い。