復讐劇は苦い恋の味

「でもこの歳になると、なかなか言い出しにくくて。周りで見ている友人もいないんです」

そう話す彼に思わず言ってしまった。

「私もです。友達で好きな子いなくて、いつもひとりで見に来ていました。それに私も原作の漫画集めています。……面白いですよね」

すると君嶋くんは目を輝かせた。


「本当ですか!? うわ、嬉しいな、漫画まで集めているなんて。……今日も正直、上映映画を調べたとき、これを見たいと思っていたんです。だから常盤さんに見たいと言われて興奮してしまいました」

最後は小声でボソッと「興奮してしまいました」と囁いた彼に、思わず笑ってしまった。

「……私もです。昔は好きな友達たくさんいたのに、大人になるとみんな見なくなっちゃって。……なので君嶋さんも好きだって聞いて、ちょっと嬉しくなっちゃいました」

「常盤さん……」

相手は君嶋くんだってわかっているのに嬉しくなってしまった。だから思わず笑っちゃったんだ。

口元を押さえ笑いを堪えていると、彼は目を細めた。