復讐劇は苦い恋の味

この前の食事代だって彼が出してくれた。今日で会うのは最後にするつもりだからこそ余計に、出してもらいたくない。

けれど彼は「いらない」の一点張り。

結局ポップコーンに飲み物代も彼に出してもらってしまった。

「どうぞ」

「……すみません」

座席に座ると、彼は私の分の飲み物を渡してくれた。それを受け取りながらも、申し訳ない気持ちになる。それに……。

「あの、本当にこの映画でよかったんですか?」


人気アニメ映画ということもあって、周囲は家族連れや若い友達グループ、カップルが多い。ちょっと私たち……特に君嶋くんは浮いている気がする。

つい周囲をキョロキョロしてしまうと、隣に座る彼はクスリと笑みを零した。

「すみません、このアニメ昔からずっと好きだったんです。漫画もいまだに集めています」

「えっ?」

驚く私に彼は続ける。

「映画も欠かさず見ています。ですが最近はなかなか映画館に見に行く暇もなく、DVDになってからですが。なのでこうやって久し振りに映画館で見られるのが嬉しくて」

びっくりだ。まさか君嶋くんもこのアニメが好きだったなんて。