復讐劇は苦い恋の味

「どうでしょうか?」

無難なチョイスだと思う。正直私も、ちょっぴり見たいなと思っていたし。でも……。

チラッと見てしまうのは、上映予定時刻が掲載されている電光掲示板。

こんどの休みに、ひとりで見に来ようと思っていた映画があるんだよね。

よく見ると上映時刻は彼が見ようと言っている純愛映画と同じ。

どうしよう……見るならこっちが見たい。でも内容が内容なだけに言いづらい。

グルグルと思いを巡らせるものの、ハッとする。

そうだ、私ってば当初の目的を見失っているじゃない。

今日で会うのは最後なんだもの。別に君嶋くんにどう思われようが関係ない。

むしろ変な人だって思われたり、嫌われたりした方が好都合だ!

「常盤さん?」

尋ねてきた彼に自分が見たい映画を伝えた。

「私、これが見たいです」

「え……これ、ですか?」

「はい!」

私が見たいと指差した映画は、今年で公開二十五周年を迎える、漫画が原作の大人気のアニメ映画。

子供の頃から大好きで、大人になった今も漫画を集めているし映画も毎年欠かさずに見ている。