復讐劇は苦い恋の味

叔母さんがいなかったら、今の私たちはいないと思う。

感謝してもしきれない恩義がある。

叔母さんは広告代理店で女ながら部長まで昇進し、第一線で働いているバリバリのキャリアウーマンだ。

サバサバとした性格で言いたいことをズバズバと言うけれど、裏表がなく話し上手。

そんな叔母さんは私の憧れの存在だ。

「どう? ここのイタリアン美味しいでしょ?」

「はい、とっても」

叔母さんが買ってきてくれたのは、会社近くにある駅ビルの中に入っているイタリアンの惣菜店。

どれも美味しくて空腹だった私は、次々と箸が進む。

そんな私を叔母さんは微笑ましそうに眺めてくる。その視線を感じると、ちょっと照れ臭くなる。

飲み物を飲んで一息つき、叔母さんに自分から話題を振った。

「最近仕事どうなんですか?」

「んー? 仕事は順調よ。いいご縁もあって今月も業績アップ間違いナシね」

得意気に話す叔母さんに、思わず笑ってしまう。

「美空ちゃんこそどうなのよ」

「仕事ですか? 変わらずですよ」