復讐劇は苦い恋の味

それに待ち合わせ場所と時間を聞いただけで、今日どこに行くか教えてもらっていなかった。

どうせ最後だから……と行き先など気にも留めず聞かずにいた自分が恨めしい。

「……なんてことを今さら後悔していても、しかたないよね」

ベッドの上に並べられている、たくさんの服を目の前に大きな溜息が漏れた。

ふと時間を確認すると、そろそろ準備に取りかからないと間に合わなくなりそうだった。

「もうどうにでもなれ!」

当たり障りないワンピースを選び、片づけもそこそこに急いで準備をして家を後にした。



待ち合わせ場所はこの前と同じ駅前。休日の十時前はたくさんの人で溢れていた。

どうにか待ち合わせの三分前に着くと、既に彼の姿があり思わず足を止める。

「……いた」

こんなにたくさんの人がいるのに、どうして簡単に君嶋くんを見つけることができてしまうのだろうか。

それはきっと、彼が魅力的な人だからだと思う。

誰が見てもカッコイイって感じると思うし、やっぱり目を引く存在だから。

それにラフな服装なのに、それさえもモデルのように着こなしているところはさすがだ。

ふと自分の姿をもう一度確認してしまう。