「また新たな一面を見ることができました。……初デートって言っただけで顔を赤くさせるとは……。可愛い人ですね」

なっ……! 可愛い人!?

歯が浮くようなセリフにギョッとする。


君嶋くんってこんなことを平気で言っちゃう人だったの!? 少なくともクラスメイトとして過ごした間は、こんなことを言うような人ではなかった。

びっくりしてなにも言えない私を尻目に、彼は笑いを堪えながら言った。

「俺も思ったことは、あなたにお話するようにします。……俺の言動ひとつで顔を赤くさせ、愛らしい表情を見ることができるなら尚更」

最後にニッコリ微笑む彼に、私はそれ以上なにも言えなくなってしまった。