「今日も無事に一日終わったよ」

そしてこうやって写真のふたりに向かって話しかけてしまうのも、すっかり習慣化している。

「さて、と。ご飯はなにを食べようかな」

立ち上がり、キッチンへ向かい冷蔵庫の中を確認する。

いつもは圭とふたり分を作るけれど、圭は昨日から一ヵ月、海外に出張へ出ている。

しばらくの間はひとり暮らしで気楽だけれど、気楽な分、ひとり分のご飯を作るとかけっこう面倒だ。

いつもは節約のため家で作って食べていたけれど、圭がいない日くらい楽しちゃおうかな。


冷蔵庫を閉じ、どこか食べに行こうと出掛ける準備を進めていると、聞こえてきたのは来客を知らせるインターホン。

「誰だろう、こんな時間に」

モニターで確認すると、映っていたのは叔母さんだった。

『美空ちゃん、久しぶり~!』

モニターに向かって手を振る叔母さんに慌てて玄関のドアを開けると、叔母さんは買い物袋片手に上がり込んできた。

「昨日から圭くんいないでしょ? ひとり分作るの大変だと思って、色々買ってきたの」

「え、あっ……!」