復讐劇は苦い恋の味

あまりに人の気持ちを知らず、呑気に接してくるからカチンときちゃって、朋子の言うように、少しくらい痛い目見た方がいいと思っちゃって……。

名刺もテーブルの上に置き、本棚にある学生時代のアルバムを手にし、立ったままページを捲っていく。

中学二年生になる前に両親の離婚が決まり、転校しちゃったから彼といっしょに写る卒業アルバムはなく、入学式や行事の時の写真しか残っていない。

けれどそこに写る私はどれも暗くて、全然楽しそうじゃない。

実際に中学一年生の時は毎日が楽しいとは思えず、むしろ苦痛でしかなかった。

特に二学期から転校するまではずっと。

だから一回くらい、ちょっと君嶋くんに復讐してもいいよね?

アルバムをしまい、再びソファに腰かけ名刺に書かれているIDに自分の番号を添付し送信した。


* * *


「なるほどね。いや美空! いいんだよ、それで!! 少しくらい痛い目見せた方がいい!」

話を聞き終えると、朋子は何度も頷く。

「しかし向こうは相当美空に熱上げているわけね。病院まで来て直接食事に誘うなんて」

「そう、なのかな……。それはそれで複雑なんだけど」

同僚は『あんなイケメンと食事なんてうらやましい』なんて言うけれど、そんなことない。

見た目はカッコよくても昔、平気で人が傷つくようなことを出来ちゃう人だよ?