そんな彼女に呆れつつも月曜日、朋子と控室で別れてからロビーで君嶋くんと会ったこと。

そこで彼に食事に誘われたこと。その日の夜のことを話していった。


* * *


君嶋くんは金曜日、私の勤務が終わる時間に迎えに来ると言い、名刺の裏に連絡先を書いて私に手渡し、会社へ戻っていった。

彼の後ろ姿が見えなくなると、一部始終を見ていた同僚にあっという間に囲まれ、質問攻めにあった。

すぐに昼休みが終了となり、上司に持ち場に戻るようにと言われ、どうにか難を逃れたけれど……。

ちょっとの空き時間があると、今日までずっと聞かれっぱなしだった。

なんとか『叔母と知り合いなの』と言って乗り気っているけれど、その理由じゃみんな納得してくれていない。


君嶋くんが病院に訪れた日の夜、叔母さんから電話があった。

『もしもし、美空ちゃん? どうだった? 今日は』

さっそく弾む声が電話越しから聞こえてきて、これは絶対君嶋くんから食事に行くことを聞いたなと確信を持つ。