復讐劇は苦い恋の味

真っ直ぐこちらに向かってくる君嶋くんに、逃げ場のない私は立ち尽くすだけ。

オロオロしている私の前に立つと、彼は誰もが惚れ惚れする笑顔を見せた。

「すみません、突然窺ってしまい」

「いっ……いいえ」

驚きすぎてうまくしゃべれない。受診に来た……わけではないよね? 謝っているし。

じゃあもしかして本当に私に会いにきたの?

様子を窺っていると、君嶋くんはハニかみながら言った。


「松本さんにまたお食事の機会を……とお願いしたところ、直接行けと言われてしまいまして。勇気を出して会いにきました」

おっ、叔母さん……! 余計なことをっ……!


クラッとするも、ちゃんと叔母さんに事情を説明して断らなかった自分が悪い。でもまさかこんなに早いタイミングで会いにくるなんて、夢にも思わないじゃない?

叔母さんに「どうだった?」って聞かれたら、お断りするって伝えようと思っていたのに。どうすればいいの、これ。

もう二度と君嶋くんなんかに、会いたくなかったのに。おまけにこの状況は最悪すぎる。

昼休みといえど、そろそろ終わる時間。休憩から戻ってくる同僚から注目を集めている。