復讐劇は苦い恋の味

「いいよ、ゆっくりで。……待つから」

「君嶋くん……」

優しい声色で言うと、彼はそっと私の背中を撫でてくれた。


君嶋くんはいつも優しい。私の気持ちを最優先してくれる、そんな彼が大好き。だからこそやっぱり今日は帰りたくない。

ドクンドクンと脈打つ心臓の鼓動。けれどしっかりと彼の瞳を捕らえ、自分の想いを伝えた。

「君嶋くん」

「ん?」

甘い声で答えた彼の手は、依然として私の背中を優しく撫でたまま。

「あの、私……今日、泊まってもいいかな?」

「……えっ」

けれど思い切って聞くと彼は途端に目を丸くさせ、私の背中を撫でる手はゆっくりと離れていった。

やっぱりびっくりしているよね。どうしよう、引かれちゃったかな。でも一度言ったことは取り消せない。


「本当は私、ずっと泊まりたいと思っていたの! その……君嶋くんとキス以上のこともしたいって思ってた! ……だから昨日、あの話を聞いてヤキモチ妬いちゃって……」

「美空……」