復讐劇は苦い恋の味

それから部屋着に着替えた彼は美味しそうにすべてを食べてくれた。

そして片づけを一緒にして、君嶋くんが淹れてくれた珈琲を片手に、ふたりでソファに並んで座りテレビを見る。

何気ないこの時間が楽しくて幸せであっという間に過ぎ、気づけば二十二時になろうとしていた。

「あ、そろそろ帰らないとだよな。待ってて、送っていくから準備してくる」

「あっ……!」

時間を確認するとそう言いながら立ち上がった君嶋くんに続いて、私も咄嗟に立ち上がってしまった。

そんな私を君嶋くんは不思議そうに見つめてくる。

「どうかした?」

「あ、あのね……!」


どうしよう、ちゃんと自分の気持ちを伝えようと決めてきたはずなのに、いざ伝えるとなると緊張してうまく口が回らない。


それに私から「帰りたくない」とか言っても、君嶋くんは引いたりしないかな? 私は明日休みだけど、君嶋くんは仕事だし……。やっぱり急に泊まりたいなんて言ったら迷惑?


そんな想いがよぎり、ますます言えなくなる。すると君嶋くんは私の肩を抱き、ソファに座るよう促した。