復讐劇は苦い恋の味

「でも今の関さんは好き。……今の関さんなら君嶋くんを諦めるしかないって思わされる。だから絶対彼と幸せになってよね。そうじゃなかったら許さないから」


最後は実に彼女らしいセリフを吐き、入院病棟へと向かっていった。

そんな彼女の後ろ姿を唖然と見つめてしまうも、フッと笑みが零れてしまう。

「本当、斎藤さんらしいな」

昔となんら変わっていない。言いたいことをはっきり言うところは。でもそれが彼女のいいところなのかもしれない。


それに斎藤さんのおかげで目が覚めた。私……過去を乗り越えたからこそ、君嶋くんと恋人同士になれたと思っていた。

でも違うよね。言いたいことを言えないままじゃ変われていない。

溜め込んでモヤモヤしていたら、昔と同じじゃない。


ちゃんと伝えよう、君嶋くんに。今の私の気持ちをすべて。言わないことにはなにも伝わらないよね。

さっきの斉藤さんのように。

「ありがとう、斎藤さん」

もういない彼女にそっと伝えた感謝の想い。