復讐劇は苦い恋の味

「そう! トラウマに勝つには昔の嫌な気持ちを上書きして、忘れればいいわけでしょ?」

「まぁ……そうかもしれないね」

けれど、今までどんなに忘れようと思っても忘れられなかった。

「でも私、今までも何度か頑張ったつもりだよ? 好きな人作って君嶋くんのことは忘れようって。それでも忘れられなかったのに、今さらどうやって?」


私には到底答えなど見つからず得意気な顔をする朋子に尋ねる。すると彼女は笑顔でとんでもないことを言い出した。

「やだな、答えは簡単でしょ? 復讐すればいいのよ、彼に」

「え……復讐って……えぇ?」

突拍子もない提案に、目を白黒させてしまう。

復讐って私が? 君嶋くんに!?

「いやいやいや、そんな復讐だなんて……」

子供じゃあるまいし、もういい大人だ。それにそんなことしたって意味がないと思うから。

なのに朋子は畳み掛けてきた。

「だって悔しくない? 美空は十年以上経っても、辛くて忘れられないでいるのに、向こうは忘れているし、おまけに美空だって気づかないなんてさ。……あんまりじゃない! 少しは痛い目みるべきだと思う」

「痛い目って……」