復讐劇は苦い恋の味

私の説明に斎藤さんは戸惑いながらも、耳を傾けた。


「それとこちらが入院に関しての説明書です。必要な物や面会時間など、詳しく記されております。それと面会に訪れる際はこちらの面会証を必ずお持ちください」

「わかりました」

「……他に不明点などはございませんか?」

いつもと同じように説明した後尋ねると、斎藤さんは目を泳がせた後、チラッと私を見た。

そしてなにか言いたそうにしている。


本当はさっさと説明を終わりにしたい。でも私、知っているから。自分の家族が入院することになっちゃったんだもの、心配だし不安だよね。

そう思うと声を掛けずにはいられなかった。

「斎藤さん、大丈夫? なにか不安なことがあったら言って。なんでも答えるから」

彼女は途端に目を丸くさせると、大きく瞳を揺らした。

「よく私にそんなこと言えるね。……私、昔もこの前も酷いことしたのに」

唇を噛みしめた後、彼女は続けた。