復讐劇は苦い恋の味

さらに自家用車で来た緊急患者も来院。ふたりで手分けして対応に当たった。

その後も緊急搬送は後を絶たず、慌ただしく仕事に当たっていた。

気づけば深夜の二時過ぎ。やっと一息つけた。

「ごめん常盤さん、先に休憩上がってもいいかな?」

「はい、どうぞ」

この時間からお互い交代で休憩に上がることになっている。

先に上がってもらってる間は、大勢の患者が訪れない限りひとりで業務に当たっている。

最初は四苦八苦していた緊急外来業務も、一ヵ月も慣れてきた。

でもいくら仕事には慣れても、慣れないこともある。

病院だからこそ避けられない悲しい場面にも、直面しなくてはいけない場合もある。

会計窓口勤務の時は、外来患者さんのみとの接見しかなかった。けれどここは緊急外来。

時には患者さんが亡くなり、そのご家族と接しなくてはいけない時もある。

初めてその場面に直面した時は辛かった。それが当たり前の医者や看護師を本当に尊敬するよ。

そんなことを思っていると再び聞こえてきたサイレンの音。

すぐに処置室の方が騒がしくなる。そして少し経つと看護師がやって来た。