復讐劇は苦い恋の味

今月から私は会計窓口担当から、緊急外来受付業務に異動になった。

緊急外来は別棟にあり二十四時間稼働している。なので私たち受付職員も交代で勤務に当たっていた。

「お疲れ様です」


着替えを済ませもうひとりの夜勤事務員とふたりで緊急外来へ向かい、遅番の事務員から申し送りを受ける。

「今夜は今のところ落ち着いているかな? 大変な夜にならないといいですね」

「……はい」

緊急外来の夜間は特に重症患者が搬送されてくるケースが多い。

そうなると私たち事務員も慌ただしくなる。


会計処理はもちろん、そのまま入院になるケースが大半だから、家族に状況を説明したり入院手続きをしたりと多忙を極める。

「今日は静かな夜だといいですね」

「そうですね」

同じ夜勤事務員とそんな話をしながらも、事務作業をしていると救急車のサイレンの音が近づいてきた。

その音にふたりで顔を見合わせ苦笑い。

「今夜も忙しくなるかもね」

「ですね……」