復讐劇は苦い恋の味

それなのにいつからかな。それだけでは物足りなくなってしまったのは。

君嶋くんの大きな手でもっと抱きしめてほしい。キスだってもっとしてほしい。

それ以上のことも……。

そこまで想いを巡らせハッとする。


「わー! 私ってばなんてことを……っ!!」

慌てて首を横に振り立ち上がってベッドにダイブした。

うつ伏せのまま必死に煩悩をかき消す。


けれどモヤモヤの正体がわかった気がする。私は君嶋くんが過去に関係を持った人たちに、ヤキモチ妬いているのかもしれない。

そう思うと私はなんて心の狭い女だろう。

「過去を消すことも、やり直すこともできないのに……な」

そうだよ、私と君嶋くんの間に起こった出来事も、消すことはできない。アンナに酷いことをされたのに、私は彼を好きになり今は恋人関係。

そうなれたのはきっと、私も君嶋くんも過去を受け入れ、前に進めたから。


だったら今回の件も受け入れればいいだけの話。……それができないのは、君嶋くんと本当の意味で恋人関係になれていないからなのかもしれない。

体勢を変え、仰向けになる。