引っ越しを機に、嫌な思い出はすぐに忘れられると思っていた。けれどいつまで経っても忘れることができず、なにかあるたびに脳裏に浮かんでばかり。
気づけばもう二十八歳。あと二年経てば三十歳になる。なのに恋愛経験はなく、誰とも付き合ったことがないとくれば、不安は募る一方だった。
両親を亡くし、いつまでも圭がいっしょに暮らしてくれるとは限らない。
もしかしたら圭には私が知らないだけで、彼女がいるのかもしれないし。
だからこそ今回のお見合いは、トラウマとさよならするチャンスだと思ったんだ。それなのに、まさかそのトラウマの元凶の相手がお見合いだったなんて――。
考えれば考えるほど気分は落ち込み、再び溜息を零したとき、朋子はなにか閃いたように前のめりになって私に提案してきた。
「ねぇ、私思うんだけどさ、今そのトラウマの原因となった彼と再会したのには意味があると思うの」
「意味……?」
君嶋くんとの再会は、神様のいたずらだとしか思えないんだけど……。
首を傾げる私に朋子は続けた。
気づけばもう二十八歳。あと二年経てば三十歳になる。なのに恋愛経験はなく、誰とも付き合ったことがないとくれば、不安は募る一方だった。
両親を亡くし、いつまでも圭がいっしょに暮らしてくれるとは限らない。
もしかしたら圭には私が知らないだけで、彼女がいるのかもしれないし。
だからこそ今回のお見合いは、トラウマとさよならするチャンスだと思ったんだ。それなのに、まさかそのトラウマの元凶の相手がお見合いだったなんて――。
考えれば考えるほど気分は落ち込み、再び溜息を零したとき、朋子はなにか閃いたように前のめりになって私に提案してきた。
「ねぇ、私思うんだけどさ、今そのトラウマの原因となった彼と再会したのには意味があると思うの」
「意味……?」
君嶋くんとの再会は、神様のいたずらだとしか思えないんだけど……。
首を傾げる私に朋子は続けた。



