復讐劇は苦い恋の味

そうだった。恋愛経験のない私には遠い世界すぎて、ただ聞いているだけで想像させもできなかった。

誰かを好きになって両想いになって、なのに彼に浮気されたり、好きな人に遊ばれる……だなんて。

でも今なら当時の友達たちの気持ちがわかる。


『彼は後悔しているんでしょ? だったらいいじゃない、この話はもう終わりで。……っとと、ごめん。子供が起きちゃった。また明日』

「あ、うんおやすみ」

慌ただしく切られた電話。スマホを見つめたた呆然としていると、突然気配もなく圭が言った。

「姉ちゃん変なところで硬すぎじゃね?」

「キャッ!?」

驚き肩が飛び跳ね、思わずソファから立ち上がる。

するといつの間に帰宅していたのか、圭がリビングのドアに寄りかかっていた。

「圭、いつ帰ってきたの?」

尋ねると圭はゆっくりこちらに歩み寄ってきた。

「んー? たしか姉ちゃんがあいつの遍歴過去を聞いて、ウジウジ悩んでいることを話しているところ?」

「ちょっと全部じゃない!」