復讐劇は苦い恋の味

ふたりに言われ私も席を立ち、圭の後を追った。

私にとっても圭は大切な存在。だってたったひとりの家族だから。

もし逆の立場だったら、私も圭と同じ言動に出ていたと思う。

どんな相手が現れても素直に祝福することができず、本当に圭を幸せにしてくれるのか、疑っていたと思う。

だからこそもう一度圭に伝えたい。

日本庭園を望める長い渡り廊下を進んでいき、角を曲がるとトイレに行ったはずの圭が壁に寄りかかっていた。

まるで私を待っていたかのように。

「……圭」

彼の名前を呼ぶと、圭は照れ臭そうに「こっち」と言うと歩き出した。

後を追い向かった先は立派な庭園。

客なら誰でも散策できるようになっていた。

立派な池で優雅に泳ぐ金魚を眺めながらゆっくりと肩を並べ、歩く私たち。

庭園に他の客はおらず、私と圭のふたりだけ。

すると圭は足を止め、池の中を泳ぐ圭を見つめたまま話し出した。

「俺はさ……ずっと姉ちゃんには幸せになってほしいと願ってきた」

「……うん」